BOSS-PAN
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番外 馴れ初め
act.2 始動
-変態値-
高橋涼介 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 【ほんのり】
「さあ、じゃ、寝る前にお風呂に入っておこうか」
「おふろ?」
「ああ。きれいにしてから眠りたくない?」
「うーんと…おにいちゃんもいっしょ?」
「え?」
さすがにそれを涼介は考えていなかった。
「だって、たくみ、あたまあらえないの」
そうだった。今の拓海は体は大人、心は子供と、某探偵アニメの少年と反対の立場であったのだった。
「そっか。じゃ、俺が洗ってあげよう」
「うん!」
涼介はまだこの時よく分かっていなかったのだ。
心は子供。
だが、身体は大人なのだ。その事実を…。
…これは…。
服を脱いで浴室へ入ってきた拓海の素っ裸を見たとき、涼介は自分の認識が甘かったことを自覚した。
確かに心は子供。
だが身体は立派な成長期の男のものなのだ。
肉体を使う仕事だからだろう。拓海の身体は華奢な印象はあったが、以外と筋肉がバランスよく付いて、しっかりとした体つきをしていた。しなやかな、青年期へと移行しつつある少年の体つき。さらに追い討ちをかけるように、その股間の中心部分。なんとも形容のしがたい子供ではない部分を堂々と主張する箇所。
自然と、子供にはない叢の中のボールとバットに目がいってしまう…。
…皮は剥けてるな…大きさはそれほどでもないが形はいい…うん?あまり経験がないのか?色はまだきれいな薄桃色じゃないか!…って、俺は何を考えている?!
慌てて不埒な妄想を吹き飛ばすべく頭を激しく振る涼介。そんな彼に拓海が不思議そうに声をかけた。
「おにいちゃんどうしたの?」
「い、いや、な、何でもないよ。先に俺が身体を洗うから、拓海は湯船に浸かっておいで」
「はぁい」
…ああ、やはり中身は子供。可愛いな…。
涼介は拓海と入れ違いに洗い場に立った。手早く頭を洗い、そして身体を擦る。
そんな涼介の様子をバタバタと湯船の中で手足を動かしながら見ていた拓海は、ふと、とある場所に目を留め、そこにじっと視線を注いだ。
「ねぇ、おにいちゃん」
「うん、何だ?」
身体の泡をシャワーで流しながら、涼介が返事した。
「なんでおにいちゃんのおちんちん、くろいの?」
…カッターン…。手の中から滑り落ちたシャワーヘッドが、洗い場で踊るように暴れだす。だが固まってしまった涼介はそれを拾う事が出来ない。さらに。
「おにいちゃんのおちんちん、おっきなかりんとうみたいね」
…高橋涼介23歳。この年にもなれば、それなりの遊びも経験しているわけで。優秀すぎる頭脳と容姿、そして家柄と揃った彼には、そういった手合いのお誘いは引きも切らないわけで、現在は落ち着いたが、まだ性欲の盛んな十代の頃は、それこそ誘われるままに誰とでもしていたという時期もあるにはあった。
現在のこの拓海いわく「かりんとう」も、そんな時期の後遺症と言うか、名残と言うか…。
涼介は、しみじみと自分の過去の過ちを反省した…。
「あ、おにいちゃん、おわった?つぎたくみのばん」
ザバっと湯船から立ち上がり、バスタブを跨ぐ拓海の股間が、ブランとちょうど涼介の顔の高さで踊った。薄桃色のそれに…自分の黒ん棒…。落ち込む涼介。だが拓海はそんな涼介には気付かず、
「おにいちゃん、あらって?」
と当たり前のように彼の膝の上に座った。
その瞬間、涼介は新たな驚きに見舞われた。
…な、何だこの肌は?!スベスベじゃないか?!
完全なインドア生活の自分よりは、確かに多少日焼けはしているが、それでも健康的な男子よりは白い肌。さらに拓海の肌は、女性のものと同様、いやそれよりも滑らかな絹のような肌触りをしていた。
「おにいちゃん。どうしたの?」
見上げる円らな瞳に、やっと涼介は我に返った。
「あ、ああ、すまない。今洗うよ」
まず頭からかな、そう思い、このままでは洗えない事に気付く。
「拓海。頭を洗いたいから…そうだな、俺の膝の上に頭を乗せてくれる?」
「うん」
何も考えず言ってしまった涼介。そしてそれに素直に従う拓海。
結果…。
…こ、これは…。
拓海はぺたりと座り、涼介の膝の上にうつぶせで頭を乗せた。その構図は正に、大人のベッドでの体位。何も知らない人間がこの状況を見たならば、間違いなく、
『拓海が涼介のをフェ●チオしている!』
と見るだろう。実際に、涼介もそう感じている。
「おにいちゃーん、はやくぅ」
…か、顔を上げるな!余計にヤバい!!
涼介は心の中で、
『相手は子供だ…子供なんだ!!』
と叫びながら、必至に煩悩を振り払うように高速で手を動かし、拓海の頭を洗った。
…疲れた…。
苦悩の風呂上り。涼介は疲労感からぐったりとソファにもたれ座り込んでいた。
拓海はお風呂上りに涼介からオレンジジュースを貰い、おいしそうに飲んでいる。
…そうか。やはり心は子供でも体は大人だものな…やはり俺では無理か…。
そう悩む涼介に、ジュースを飲み終えた拓海が心配そうに覗き込んできた。
「おにいちゃん」
べったり床に座り、涼介の膝に甘えるように手を乗せた拓海は、上目遣いで涼介の顔を見上げた。
「うん、どうした?」
涼介はそのちょうど良い高さにある拓海の洗い立ての髪を撫でながら問い返す。すると拓海は悲しそうに顔を歪めうな垂れた。
「拓海?」
ぴたりと、拓海の頭を撫でる手が止まった。
「…おにいちゃん、たくみめいわく?」
「え?」
「おにいちゃん、たくみといっしょにいるのたいへん…たくみ、どっかいったほうがいい?」
いじらしい拓海の姿、そして大人の身体とは言え十分可愛すぎるその容姿。
涼介は胸をキューンと掴まれた心地になった。ぎゅっと拓海の小さな頭を抱え、抱きしめる。
「拓海、ごめん。大丈夫だよ。ちょっと俺も眠くなっちゃっただけだから」
「たくみ、どっかいかなくてもいい?」
「ああ。行っちゃ駄目だ。一緒にいるって約束しただろう?」
「…うん!」
ニコッ、と笑ったその笑顔。その笑顔のためなら涼介は何でもするだろう。
「じゃ、もう寝ようか」
「うん。おにいちゃんといっしょー」
「………ああ、一緒…(え?)」
…そうでした。
今更拓海に一人で寝ろと言っても無理だろう。元々涼介の部屋で同じベッドに眠るつもりだったのだ。
…だ、大丈夫だよな…俺…。
一抹の不安を抱えながらも、無邪気に喜ぶ拓海の姿に、「ま、いいか」と涼介も笑顔を返した。
だが。
その夜中。
「おにいちゃーん」
「…う、ん、何だ、拓海、どうした?」
「おしっこー」
「…ああ、そうか。寝る前のジュースはやはりまずかったかな。一人で…は無理か」
起き上がり、拓海と手を繋ぎながらトイレまで目指す。
そしてトイレの電気を着け、
「はい。どうぞ」
と指し示すのだが、拓海はもじもじとしてなかなか入ろうとしない。
「拓海?どうした?」
問いかける涼介に、拓海は涙の潤んだ眼差しで涼介を見上げた。
「おにいちゃん…」
「ん?」
「たくみ…ひとりでおしっこできないの…」
「………えっ?!!」
「おちんちん、もってくれないとできないの」
「………!!」
「おにいちゃん、たすけて…」
…助けましょう!
涙の粒がびっしり付いた目で縋るように見上げられ、涼介の構いたい精神に火が付いた。
「よし!大丈夫。お兄ちゃんが支えていてあげるからねー」
背後から覆いかぶさるように拓海の股間に触れて支える…。傍からみたら、紛れも無く放尿中の少年に悪戯する変態の図だ。
だが涼介はまだそれに気付いていなかった。
しかし。
この瞬間を境に、確実に涼介は「普通」と言う枠からはみ出して行った…。
しかも…もの凄いスピードで!!
-変態値-
高橋涼介 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 【なかなか】
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