腹黒アニキの裏日記

act.4



注!!)ここのアニキは真実の変態です。
間違われてここに入室してしまわれた方は、今すぐ引き返すことをオススメします。
また18歳未満の方の閲覧は禁止いたします。
前途ある青少年を汚したくはありませんので。



 俺は今まで神に祈ったことは無い。
 だが今は切実に願う。

 …世界中の人が不幸になりますように。


 藤原の元へ使いに出した啓介の帰宅後の表情に欲望の気配が見えた。
「…あいつ、アニキのこと心配してたぜ」
 言葉では俺を気遣うような事を言っていたが、さりげなく逸らされる目線が、俺に対し後ろめたい事があるのだと教えていた。
 こいつはきっと、藤原に欲情したのだろう。…そうか。チンコを勃てたか。それはとても素晴らしいな。
 そんな啓介のために、俺はゲイサイトの掲示板に、写真入で「オレに突っ込んでくれるカレシ、大募集!」と言う書き込みをしておいてやった。これでお前の欲求不満は解消されたな。暴走しがちな弟の為に、一つ良いことをしてやった。
 その後、啓介は携帯を変えたようだが、俺はちゃんとその変えた番号で、また掲示板に「ドMな俺を苛めてくれる人、大募集!」とSMサイトに書き込みをしてやった。恥ずかしがりやで本音を中々晒せない弟の為に、俺はまた良いことをしてやった。
 だがそんな俺に、どうも啓介は不満があるらしく、
「アニキ、八つ当たりは止めてくれ」
 などと言ってきた。
 あげく史裕までが、
「お前の気持ちは分かるが、今はDの活動に専念してくれ」
 と言われた。
 よく分からない事を言う奴等だと思ったが、とりあえず笑顔で頷いてやった。彼等はまだ安心していないようだったが、俺にとってもDは大事なものだ。それを伝えると、やっと安心したようで、大人しく帰っていった。
 わざわざ来てくれた礼に、俺はその背中に、
「僕は素人童貞です。スマタしか知りません」
 と書いた張り紙を密かに貼ってやった。それに気付いた史裕が、どんな反応をしてくれるかを想像しただけで、俺は嬉しくなった。
 また啓介にも、
「最近チンコの先っぽから膿が出てきます。でもやっぱり俺はナマが好き」
 と書いた張り紙を貼ってやった。啓介は泣いて喜んでくれた。そんなに喜ばれると、もっとしてやらねばと使命感に燃えた。
 Dの遠征の当日。なぜかそんな俺に、みんなが背中を見せない。皆、俺に対し敬意を払っているようだ。何て敬虔な奴等だろうか。俺は感動の余り、そんな彼等の背中に、一つ一つ心を込めた張り紙を貼ってやった。
 特に、最近FDの中に忍ばせておいたホモ向けの雑誌を見て、その気になったケンタには特製のものを貼ってやった。あいつは啓介狙いのくせに、藤原に見つめられて赤くなったりなぞしていた。
 浮気はイカン。
 なので、鳩尾を殴って昏倒させ、その隙に服を脱がせてパンツ一枚にして、その背中には油性マジックで
「僕は童貞で包茎で早漏おまけに短小の四重苦です。誰かそんな僕を救ってくれる方待ってます」
 と書いて、林に放置しておいた。誰かが彼を救ってくれる事だろう。
 だがそんな俺の心ばかりの親切も、藤原にだけは向かなかった。
 今日の彼はやたらと色気を振りまいている。見つめられた者が皆、敵味方を問わず虜にしていた。そんな彼には俺のささやかな親切など必要ないだろう。彼なら張り紙の力など無くても、十分万人から愛を受けることが出来るはずだ。
 それなのに藤原は、俺を見る。
 じっと、縋るように、あの大きな瞳を潤ませて、「ねぇ、涼介さん。早く俺のことを食べてよ」とお願いするような目で見つめてくる。
 ……藤原。
 そりゃ食いたいさ…ただし、コイツが勃ってくれたらな。
 縋る眼差しから、俺は意図して目を逸らし続けた。不安そうな藤原。俺が目を逸らすたびに、その瞳の潤みが激しくなり、悲しそうに伏せられる事も多くなった。そんな儚げな藤原の様子は、「もう俺を好きにして!壊しちゃってもいいから!」と誘っているようで、ますます俺の焦燥を煽った。
 ……ああ。
 かつて、何度も女たちを喜ばせてきた俺の暴れん棒。
 数々の武勇伝させ生み出してきたコイツが、何でよりによって、肝心な相手の時に使いモンにならねぇかな!!
 見ろよ、藤原を!
 今すぐ俺にぐちゃぐちゃに食われたいって顔してんじゃねぇか!しっかりしろよ!!
 プラクティスの合間などに、何度も俺は股間に向かって叱咤激励をするのだが、そこはピクリとも動かず、静かなままだ。
 …情けねぇ。
 何やら股間に向けて喋る俺を、啓介たちが遠巻きに見ているが、そんなのはどうでも良い事だ。
 俺の望みは一つ。
 コイツが少しでもいい。勃ち上がったなら今すぐに、あの藤原の服をひん剥いて、嫌がろうが何しようがあの愛らしい尻に突っ込んで思い切り揺さぶってやったのに。
 自分の股間のように、項垂れ落ち込む俺に、松本が声をかけてきた。
「涼介さん。少しでもいいですから、藤原に声をかけてやってくれませんか?藤原、平気そうな振りをしてましたけど、ずっと涼介さんに無視されて、かなり落ち込んでますよ。このままじゃバトルに影響しますから、何か声、かけてやって下さい」
 そう言って彼が差し出してきたのは携帯。
 時刻は間もなくバトルが始まろうかと言う頃だった。
 …そうだった。今回の相手、東堂塾は決して生ぬるい相手では無い。むしろ今のDにとって、一つの試練でもある相手だ。
 そんな時に俺の我が侭で藤原を不安にさせてはいけない…。
 俺はその時、個人的感情を捨て、Dのリーダーに徹することに決めた。
「…分かった。松本。気を使ってもらってすまなかったな」
「いいえ、構いませんよ。ですからその後ろ手で俺の背中に貼ろうとしている張り紙、捨ててくれるなら有難いですね」
 …チッ。バレたか…。さすがかつて武闘派で慣らし、一発で相手を仕留めるところから「ワンパンの松」と呼ばれた男だ。
「可愛い男の子を縛って啼かせるのが大好きです。玩具持参で遊びに来て下さい」
 と書かれた張り紙は、残念ながら他のメンバーにでも貼ることにしよう。
「…それに、俺はどっちかって言うと、可愛い男の子よりも、自分よりガタイのいい相手を調教するのが好きですから」
 フフフ…。そう笑う松本は、さすがゲイの世界で伝説の縄師、「荒縄のディオニュソス」と呼ばれた男だ。彼が主演するゲイ系SMビデオは、全部売り上げが好評で、おかげでDの資金も潤っている。
「そうそう。涼介さん。中村を林に転がしておいたでしょう?ちゃんと俺が救ってあげましたから。まあ、味気はあまり無かったですが、それなりに楽しかったですよ」
 …ほう。そうか。では後でケンタには「脱、童貞、おめでとう…ああ、違うか。脱、処女だったか?」とお祝いの言葉を述べることにしよう。
 そんなアンダーグラウンドな住人のアドバイスを受け、俺は藤原に電話をかけた。
 久しぶりに耳元で聞こえる、藤原の掠れたような甘い声…。
『りょ、すけ…さん?』
『あの、俺…』
 何かを言いたい、けれど言えない。そんな藤原の声に、俺は胸が熱くなるのを感じた。
 藤原を最初に見て、感じたのは欲情。
 今まで誰かに対し、こんなにまでヤリてぇなんて思う事は無かった。もちろん俺もいい年だから、性欲はある。それなりの経験ももちろん人より多くあるが、しかしそれはただの排泄行為で、こんなにも胸が沸き立つような気持ちになった事はない。かつて、俺にとっての最大の興奮は車だった。だがそれに、藤原拓海と言うカテゴリーが車とともに現れて、俺の中に鮮烈に焼き付けた。
 見ているだけで興奮する。そして彼のあの走りにも。
 これが恋だと気付いたのは彼に負けてからだ。
 あの時に誓った。
『絶対にコイツを手に入れてやる…』
 それを、たかが他の奴等に先に食われてたって事を知ったぐらいで、あいつを諦めるのか?
 いや、そんな事できるはずが無い。走りも、あの美味そうな体も全部俺のものだ。
 あいつのバトルが終わったら、もう、俺のチンコなんて知るか!勃起しなくても、ペッティングだけであいつを喜ばせてやる…。
 俺はそう、心に誓った。
 そしてバトル終了後。
 あいつは俺の期待通りの走りを見せ、ねぎらう俺に、熱を帯びた欲情した眼差しを向けてきた。
 ほんのり赤く染まる頬。上目遣いに見上げる潤んだ眼差し。そして半開きに開いた唇。
 ……突っ込みてぇ…。
 しかしやはり股間は静かなまま。
 その事実にやはり落ち込みながらも、さっきのように藤原を無視するわけではなく、初恋に戸惑うガキみたいに、切欠を探して隣にい続けた。どうやって手ぇ握ろうか?そんな今時中学生でもやらないような事に躊躇い、踏み出せないままでいた。
 そうしていると、藤原が何かを考え込んでいるようだった。
「何を考えているんだ?」
 まさか俺のチンコが勃たないことに気付いたんじゃ…。緊張しながらも聞いた俺に返ってきた藤原の答えは、…この子悪魔がっ!他の男に誘われたという話だった。
 勃たない俺への当てつけか?!
 苛立ちから藤原を責めた。
 だが。
 彼は―――。
「そんなワケねーじゃん!イヤに決まってんだろ?!知らねー人と何で一緒にいたいんだよ!」
 初めて見せる激昂した表情。真っ直ぐに射るように俺を見つめ、俺に怒鳴る。
 走り屋である時点で、負けず嫌いであるのだろう事は察していた。
 だが今、目の前の藤原の、常のぼんやりした様子とは違う、気の強さと爆ぜる炎のような熱さ。
 そして、
「触ってきた奴らはみんな、もう二度と触れねーくらいにボコにすんの!おかげでそーゆー撃退法と痛めつける方法は俺すげーんだよ!おかげで一回触ってきた奴で、二度目に触ろうなんて奴はいなかったし…なのに……」
 炎の勢いは急速に弱まり、ボロボロとその大きな瞳から大粒の涙が。
 ああ、今俺の胸の中には灼熱の固まりような感情が生まれている…。
 俺は震える腕で藤原の身体を抱きしめた。
 相変わらず抱き心地の良い身体だ。ぎゅっと力を込めれば、しなやかな彼の身体が俺の欠けたパーツにきっちり嵌るように収まった。俺の背中に回された藤原の腕にも力が込められる。
 そして、彼は言った。
 あの運命の言葉。
「…涼介さんには…俺…触られたい……」
 うっとりと、夢見たような表情の彼の言葉。
 その瞬間。
 俺の胸に溢れていた熱が、どんどん下降し、股間の海綿体を刺激して…。
 …勃った!勃ったぞ!!
 俺のスカッドミサイルは臨戦態勢。角度はみるみる上昇。服が無かったら、腹に付くんじゃないかと言う勢いだ。
「藤原!」
 感極まり、俺は藤原の口に噛み付くようなキスをした。
 舌を思い切り突っ込んで、藤原の舌を噛み、俺の口の中へと吸い込むように誘い、口中をとことん味わった。
「…ハァ、あ…りょ、すけさぁん…」
 激しい口付けに、藤原の体が震えた。
 それをさらに煽るように、股間をすり合わせながら彼の体中を、特に尻を撫で回した。後でここに俺のスカッドが発射されるのだ。そう思うと、この尻から手が離せなくなりそうだった。
 そして藤原も、尻を撫でた途端、うっとりと安堵の笑みを浮かべた。その表情は俺に、この行為が嬉しくて堪らないと言う事を教えていて、俺の行動を増長させた。
「りょ、すけさ…やぁ、もっと…」
 可愛いことを言ってくれる…フフフ、だが。
 ゴクリと、生唾を飲む人々の気配。
 …この、不埒者めらが!
 これは俺のだ!!
 見るんじゃねぇ!触るなど言語道断!欠片たりとも渡してなるものか!!
 俺は周囲に対して、殺気と言うには生易しい、呪いの視線で牽制をした。
 うっとりと、俺にもたれかかり、幸せそうな表情で見つめる藤原。
 可愛い。
 可愛すぎる。
 こんな可愛い生き物はもう俺のものだ。
「タイムアタックがあるからな。まだ藤原に悪さはできないな」
 そう言う俺に、
「悪さじゃないですよ。だって俺うれしいですもん」
 なんて俺の股間を刺激するセリフを返してくれる。
 見かけだけじゃない。性格まで極上だ!
 ああ、もう、股間の中では我慢汁が溢れそうだ…。
 堪えきれず彼の耳を舐めると、
「…は、やぁん」
 股間直撃な声を上げ、へたり込んでしまった。
 涙目で自分の反応が信じられないようで、不安そうに俺を見つめる藤原。
 藤原?…いやいや。もう今日からマイスィート。名前で呼ぶべきだな。
「拓海って…呼んでいいか?」
 耳元に注ぎ込むように囁けば、藤原…拓海は、
「涼介さん…!」
 俺の首に腕を絡め、首筋に頬を寄せ、そして嗚咽の混じった声でこう言った。
「…うれしい」
 …食う…食う時…食わねば…食えるなら………食え!!
 俺は藤原の尻を掴む手に力を込めた。






2005.9.23

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