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「最近マンネリだな…」
ベッドの上で、情事の後に言われた言葉に、
「そうですね」
と答えたのは絶対に失敗だった。
俯き、顔をほてらせながら拓海は激しく後悔する。
忙しい恋人と、久しぶりのデートの約束。
『ちょっとした遊びを計画しているから、楽しみにしてろよ』
の言葉に、以前の「マンネリ」発言もあり、いよいよ彼の弟あたりから揶揄されていた、いわゆる「大人の玩具」なんかを使われるのかとドキドキしていた。
でも緊張しながら高橋邸を訪れた拓海を、恋人の涼介はいつものようにすぐベッドに押し倒すのではなく、
『ドライブに行こうぜ』
と誘った。
まさか…今日はしない方向か?
それとも外でするとか?
でもホテルとかも結構ありがちだし…。
ほんの少しだけガッカリしながら、玄関に向かおうとする拓海に、けれど涼介は笑顔で「ちょっと待った」と呼び止めた。
『その格好じゃ面白くないだろう?』
拓海の服装は、いつも通りのシャツにジーンズ。
何か変だっただろうか?と自分の姿を見直す拓海に、けれど涼介はニンマリと微笑み、ある服を差し出した。
『これ、着て』
そう言いながら差し出されたのは、去年まで拓海が見慣れていたもの。
けれど、決して自分が着ることは無かった服だ。
驚き、涼介を真ん円に見開いた目で見返すと、彼はとても楽しそうに笑みを浮かべた。
まるで引っくり返った三日月のような、キュッと唇の端が持ち上がった笑顔。
『俺がマンネリだなって言ったら、拓海も「そうですね」って頷いただろう?それは俺の提案への肯定だと思っていたんだが…違うのか?』
さも言質を取ったと言わんばかりの恋人の顔に、拓海は頬を染め、けれど戸惑い俯いた。
『そ、そうですけど、でも…こんな…』
と、拓海が指差したのは涼介の腕の中の制服。
どこの学校のものかは不明だが、明らかにその作りはやデザインは「セーラー服」と呼ばれるもの。
そのプリーツの入った短い丈のスカートと、胸元の大きなリボンに眩暈がする。
『着る?着ない?』
悪魔よろしく囁く恋人の声に、拓海は「ううう…」と唸りながらも頷いた。
しょせん、拓海は涼介には敵わない。
それに、どうせ見るのは涼介だけだろう。そう思ったからだ。
なのに……。
「ほら、拓海。出ておいで」
運転席から降り、助手席の扉を開けた涼介がナビシートに縮こまるように座る拓海に手を差し出す。
けれど拓海はそれを受け取れない。
涼介が向かったのは渋川。
しかも、駅に近い住宅街の真ん中の公園だ。
昼間の、しかも誰が来るか分からない公園に幾らなんでも、こんな変質者紛いの姿で降りれるわけがない。
「大丈夫、誰もいないよ」
涼介の言葉通り、確かに辺りは閑散としている。平日の昼のせいだろうか。公園は無人だった。
「で、でも、こんな格好で…変です」
か細い声で抗議する。けれどもちろん涼介はそれを無視する。
「平気だよ。今の拓海は女子高校生そのものだからね。逆に、大丈夫じゃないのは、未成年の女子高校生を連れた俺の方だろう。だから、早くおいで」
じゃないと余計に人目につくよ、と脅され、拓海はしぶしぶその腕を取った。
着た時から思っていたが、女の、しかもセーラー服ってのは犯罪だ。
Vの字に大きく開いた胸繰り。むき出しになった鎖骨と、そして屈むと、開いた襟の隙間から中が丸見えになってしまう。
さらに上衣の裾は短く、ちょっと腕を上げると腰のラインとヘソが見える。
しかもこのミニなんて言葉が生易しいほどのスカート丈。太ももが丸見えで、ギリギリ下着が見えないほどの長さだ。
拓海は真っ赤な顔で、上衣の裾と、スカートの裾を片手ずつで引っ張りながら立ち上がる。
そんな初々しい拓海の姿に、涼介の笑みが深まる。
「…覚えてる?」
腰に腕を回し、拓海に歩くよう促す。
「ここでお前に…告白したんだよな」
忘れるはずがない。
拓海は、赤い顔をさらに赤くさせる。
去年。
涼介に呼び出されこの公園に待ち合わせた。
ドキドキしながら向かった夜の公園で、涼介は拓海に、「関東最速プロジェクト」についてを語った。そして拓海に、ドライバーとして「欲しい」と囁かれたのだ。
そして同時に…。
『ドライバーとしてもお前が欲しいが、俺個人としてもお前が欲しい。性的な意味で』
そう告げられた。
悩みながらも、けれど結局受け入れた。
自分もまた、涼介に対し憧れ以上の感情を抱いていることに気付き。
その返事を返したのも、またこの場所だった。
いわば、この公園は二人にとって大切な思い出の場所。
まさかそんな場所に、こんな姿で来るとは思わなかった。
「ここからお前に電話したんだよな」
入り口付近にある電話ボックスの扉を涼介が開く。そしてそこに拓海と一緒に入り込む。
狭いボックスの中は、もちろんだが男二人には狭い。密着することになる。
「…らしくなく、緊張してさ」
触れ合った涼介の胸の高鳴りを聞く。同時に、拓海の胸も高鳴った。
「今の、お前みたいに」
そんな拓海の鼓動を感じたのだろう。涼介が拓海の胸に手を這わす。
服の上から平たい胸をなぞり、そしてゆったりとその感触を味わう。
「どうしたら、お前が手に入るのかって事ばかり考えてて…知らなかっただろう?俺がすごいテンパってたの」
「ちょ、涼介さ、…ぅ」
体を寄せた彼の手が服の中に入り込む。そしてなだらかな腹の感触を楽しみ、徐々に上へと移動する。涼介の手の動きに、彼の意図が見えてくる。ここで、しようと言うのだ。わざわざ拓海にこんな格好をさせて。
「…だめ……」
ウロウロと拓海は視線を彷徨わせた。幸い、人目はない。けれどいつ人が来るか分からない状況に、拓海は流されるわけにはいかない。
強い力で涼介の手を押し戻す。けれど涼介はチッと舌打ちをしたかと思うと、拓海の首筋に噛みついた。
「…んぁっ!」
一番敏感とされる、その場所を。
甘く、柔らかな力で。
ジン、と条件反射のように腰が痺れ、抵抗する腕の力が弱まる。
足の間に、涼介の片足が潜り込む。
そして股間の狭間を、ゆさゆさと揺すぶられ刺激を与えられる。
「あの頃は、お前に触れる想像をしただけでイきそうだった。なのに…それが今では生半可な刺激じゃ満足できなくなっちまった。ま、幸せな誤算ってやつだけがな」
涼介の指が、胸の先端を擽る。
そうしながらもう片手でスカートの下から尻を掴み、揉む。
さらに足の間には刺激を与え続ける彼の足。
「だけど、飽きちまったら…飽きさせないようにするだけだ。そうだろう?」
囁きながら、涼介の舌が拓海の耳に潜り込む。ペチャペチャと音を立て耳朶を舐め、淫猥な音を響かせる。
「…や、だ…涼介さん…」
身を捩り、走る快感を逃がそうとする拓海に、けれど涼介は微笑みながら逃げ道を塞ぐ。
「やだ?…嘘ばっかり。だったら…」
尻を揉んでいた指が、前に回り堅くなった欲望を握る。
「ふぅ!あぁっ…!」
「…濡れてるぜ?イヤなら、濡れないはずだけどな」
腰が自然と揺れ、頭がぼうっと霞んでくる。
ゆっくりと。
染み込ませるように彼の指や感触を覚えさせられた。
彼の全てが「快感」なのだと、調教された体は、こんな状況だというのに素直に彼の刺激を受け止めていく。
恥ずかしい。
でも…だからこそ気持ち良い。
「…や、ぁ、だめ…」
「駄目?本当に?じゃあ、ここはどうしてだ?」
意地悪気に笑い、彼が拓海の欲望を強く握り締める。
「ひぃ!…ぅあ…ん…」
ブルブルと腰が震え、睫毛から浮いた涙が、目尻を伝う。
「……好きなくせに…強情だな」
そっと目を開け、拓海を見つめる涼介を見返す。
彼の切れ長の瞳の中に自分の姿が映る。
みっともなくも女の制服なんて着て、イヤだと言いながら快感に浅ましく涙を零す自分が。
「淫乱」
涼介が、拓海を詰る。
そして下を嬲っていた指が、拓海の最奥に乱暴に入り込む。
まだ寛がされていないソコを、拓海の濡れた液でのみ浸した指が侵入する。
痛みに、拓海は顔を歪め、そして涼介は愉悦に顔を歪める。
「……痛い?」
コクリ、と拓海は頷く。
「でも、まだ物足りないだろう?こんな細いのじゃ」
ブルブルと首を振るが、それを否定するように指が激しく蠢きだす。
「足りない、って言ってみろよ」
違う、足りなくなんか無い。
そう思っているはずなのに、痛む後ろはどんどんグチャグチャと濡れた音を立て始める。
そして、言葉よりも雄弁に、「足りない」と涼介の指を締め付ける。
「本当に強情な口だ。ここは素直なのにな」
つるん、と涼介の指が抜かれる。
「…あっ…!」
与えられていた刺激が失せ、拓海は思わず声を上げ身を捩る。
「ほら、どうした?言ってみろ」
涼介の指が、口を開き始めた蕾の入り口をなぞる。促すように、皺になったそこを濡れた指で何度も何度も。
浅い場所を突き、けれどすぐに抜け出る指。
腰だけだった震えが、拓海の全身に広がる。
服の下の乳首はもうカチカチに尖り、触れる服の刺激だけで痛いくらいだ。
そしてスカートの下の昂ぶりは激しく、短いスカートを持ち上げ隆々と立ち上がっている。
「イヤらしいな。勝手に自分でスカート捲れさせて」
クスっと嘲笑い、彼が拓海の昂ぶりを指で弾く。
「ひぃっ…!」
痛みに、拓海は涙を流す。
なのに股間は昂ぶったまま、さらに液を漏らし始める。
「な、なんで…おれ…へん…」
舌が回らない。
子供のように、舌っ足らずに単語のみを呟く。
「変じゃないさ」
ギュウゥ、と涼介がそんな拓海の股間を握り締める。
けれど後ろを嬲る指は、甘く柔らかく拓海を煽る。
「拓海はこうされるのが好きなんだ」
むき出しになった鎖骨を噛まれる。痛いぐらいに。クッキリと付いた赤い歯型。けれどそこをぺろりと柔らかな舌で舐められ、拓海は快感に震えた。
「こうやって…苛められるの…好きだろう?」
好き…かも知れない。
飴と鞭。
それの交互の繰り返しに、いつもの穏やかなセックスよりも激しく鋭敏に感じてしまう。
けれどそれは。
「…涼介さんが…好き」
涼介が冷たく自分を扱うからだ。
痛んだ心を、癒すようにさらに甘く優しく包むから。
拓海の言葉に、涼介が虚を付かれたように息を呑む。
「…俺…だからって、ことか?」
他の誰かにされたら、きっと気持ちは覚める。
自分を突き落とし、けれど優しく拾い上げるのも涼介だから許せる。
その瞳でもっと自分を冷たく見つめて欲しい。嬲って欲しい。
けれどそれと同じくらいの感情で、自分を可愛がって欲しい。
「…ったく、お前は俺の理性を壊すのが上手いよ」
ニヤリとほくそ笑み、涼介は拓海を嬲っていた指を離す。
刺激が失せ、迷子になった子供のような心もとない表情で涼介を見つめた。
「ほら、ここじゃ狭すぎて挿れられないだろう。こっちに来い」
乱暴に腕を引かれ、もつれる足で彼の動きに付いていく。
歩くと、昂ぶった前がスカートの布地に擦れて痛い。
自然と前屈みになってしまう拓海を、涼介が上から見下ろす。
「早くしろ」
冷たい声。
それに心がジンと甘く痺れる。
潤んだ瞳で彼を見つめ、笑顔で「はい」と頷いた。
心が挫け、折れる。
まるで忠実な犬になったかのように、涼介の言葉全てに従いたい。
彼が望むなら、何でも。
たとえ酷い扱いでも、その腕が優しく撫でてくれる感触を知っているから。
公園中央にあるブランコに向かった涼介は、拓海の手を離し、そこに座る。
ギィギィと、鎖が軋み音を立てる。
「下着を脱げ」
どうして良いのか、分からないまま立ち尽くしていた拓海に、涼介が命令する。
「…はい」
そろそろと拓海は履いていた下着を引き下ろす。そして足から抜きさると、涼介が手を伸ばしそれを受け取った。
「湿ってるな。漏らしたのか?」
羞恥に、拓海は身を捩る。けれどそんな嬲りに甘く揺らぐ心もあった。
「まぁ、良い。今度は栓をしてやるよ」
栓。それがどんなものかは拓海は知らない。だが、涼介のその表情から痛みを伴うものなのだと知る。
けど、それが喜びになる自分がいる。
そして涼介は期待に震える拓海を見上げ、また命令を下す。
「舐めろ」
「はい」
コクリと頷き、跪こうとすると、「待て」と涼介が止めた。
「…膝が痛む。膝は付けるな。しゃがむんだ」
傷が付かないように。
拓海を労わってくれている。
それを感じ、拓海の愉悦は深まる。
素直に言葉通りしゃがみこみ、ぺろりと舌なめずりをしながら彼の股間に指を這わす。
前立てのボタンを外し、ファスナーを下ろす。
徐々に見えてきた昂ぶりに、拓海の鼓動は高鳴った。
「…良い格好だな。丸見えだぜ?」
涼介の言っている意味が分からず、首をかしげる。
けれどすぐに気が付いた。
下着もなく、しゃがみこむ拓海の足の隙間から秘部が丸見えになっていることに。
茂みも、その下の膨らみも、そしてさらに奥の窄まりも。
ブルリと奮え、拓海の先端から滴が漏れ土の上に落ちる。
「…おい、こんな事で感じるのか?漏らしたぜ」
クスクスと涼介が拓海を嘲笑う。
「ほら、お前の大好物なんだろ?早く舐めろよ」
ぐい、と頭をつかまれ、股間に押し付けられる。
ムッと感じた、その男くさい匂いに、拓海は涎を垂らす。
ズボンを寛げ、下着の上から舌を這わす。
けれど、パシンと軽く頬を叩かれた。
「…濡れるだろう。ちゃんと出せ」
待ちきれない。
早くこれが欲しい。
指で下着の奥から堅いものを取り出す。
待ち焦がれたそこに指で擦り、ある程度の強度をつけてから舌を這わす。
何度か、今までも彼のそこを口で愛撫したことはあった。
だがいつもどこか遠慮がちで、最後は飲むことも適わず、涼介に「もういい」と頭を離されてしまう。
けれど今は。
涼介の指が拓海の頭を掴む。
そして乱暴に揺り動かし、凶器のようなそれで口の中を突いている。
おざなりに舌を動かし、口の中に突き入れられるそれを拓海は涎を零しながら迎える。
唾液と、先走りの液が混じり静かな公園に水音を立てる。
「ほら、美味いか?」
正直、不味い。
けれど心が美味いと叫んでいる。
咥え、懸命に舌を動かしながら拓海は小さく頷いた。
「………良い子だ」
すると甘やかす腕が、拓海の頬を優しく撫でる。
好き。
好きだ。
好きで、彼が欲しくて、仕方がない。
全ての穴が彼のために口を開く。
早く、彼に突き入れて欲しいと叫び。
ぎゅぅっと口を窄め、彼の昂ぶりを包みこむ。
「……ぅっ」
短い呻き声を上げ、彼の腰がビクビクと震える。
ぐっと頭を捕まれ、咽喉の奥に激しく迸る欲望を、咽喉を揺らめかし必死に飲み込んだ。
ゴクン、と飲み込み、まだ先端から漏れ出るそれを余すことなく、舌で舐め取り口の中に入れていく。
「…ん、ふぅ…」
満足そうな彼の表情に、拓海の喜びが増す。
嬉しそうに、己の下部を舐め続ける拓海を、涼介が顎を掴み持ち上げる。
「よく出来た。…ご褒美、欲しいかい?」
欲しい。
早く、早く。
ペロペロと彼の先端を舐めながら、上目遣いで見上げる。
また堅くなってくるそこに、愛しさが増す。
早くもっとこの熱を体内に感じたい。
ゆるゆると立ち上がりかけたそこを涼介が指で支え、そして微笑んだ。
「…立って」
しゃがんでいた拓海は彼の前に立つ。
つぅ、と、むき出しの太ももに伝わる液は、漏らした自身のそれだ。
「いいよ、入れて」
けれど、それきり動こうとしない。
困り、涼介を見ると、彼は冷めた表情で拓海を見上げている。
「…何だ、俺に動かせる気か?お前が欲しいんだろう?だったら、自分で動いてみろよ、ほら」
と、自身の欲望を擦り上げる。ジワっと漏れてきた液に、拓海の咽喉が鳴る。
そろそろと彼に近付き、そっと座るその足を跨ぐ。
だが…入らない。
「無理だ。後ろを向け」
言われた通りに後ろ向きで彼の上に座る。
だが見えないせいで、入れることは適わない。
不器用に入り口を合わせようとする拓海に、フッと笑いながら、涼介が手助けをする。
「しょうがないやつだ。…ほら」
ぐい、と腰を捕まれ、ズン、と落とされる。
「あぁん…!」
思わず、高らかな嬌声が上がる。
「五月蝿い。黙ってろ」
涼介の手が、拓海の口を塞ぐ。
彼の熱が拓海の中に入っている。
そして堅く逞しいそれが、敏感な粘膜を擦る。
「…ぅむ、うぅ…」
くぐもった声しか出せない。
口を塞ぐ涼介の指を舐め、この快楽を伝える。
ガシャガシャと二人分の体重を支えるブランコが激しく揺れる。
キュウ、っと彼を締め付け、そして突き入れる時には力を抜く。
涼介の手が、スカートの上から拓海の欲望を掴む。
服の上から漏れ出た液が滲み、黒に近い紺色の制服の布地を濡らす。
「……ぅ、ぅ…」
「…ほら…もっと動け。そんなんじゃ俺は満足しないぞ」
煽られ、腰の動きを早める。
自分で内部をかき回し、そして上下に揺さぶる。
…どうしよう?
好き。
好きだ、涼介さんが。
この感情を、どうやったら伝わる?
もっと動けば良いのかな?
無理な姿勢で背後を振り返り、彼を見つめる。
うっすらと浮いた汗と、彼の顔に浮かんだ艶にますます拓海の内部の締め付けは強くなる。
すると、彼の眉間の皺が深くなった。
そして気持ち良さそうに「…くぅ」と呻き、覗かせた舌で唇を舐める。
「……堪んねぇな」
ひたりと、涼介の視線が拓海のそれと合わさる。
その瞳の中に自分。
そして愛しげに見つめるその色に、拓海の心が震えた。
…良かった。伝わってる。
安堵に、弛緩した体をさらに快楽のために使おうとする。
だが涼介の腕がそれを阻む。
「…りょ、すけさ…?」
「…シッ。黙ってろ」
拓海の横抱きにし、そしてその唇を塞ぐ。
…何?
どうして?
動かせない腰に焦れ、キュウゥゥと、内部に残ったままのその昂ぶりを締め付ける。
喉の奥で涼介のくぐもった呻き声が聞こえる。
けれどそんな拓海の些細な催促は、次の瞬間に凍りついた。
パタパタと走る足音。
そして笑いあう子供たちの声。
…まさか。
「…黙ってろって言っただろ?イタズラもなしだ」
拓海は身を隠すように、涼介の腕の中に縮こまる。
近付く足音に、どんどん動悸は激しくなる。
けど。
どこか……。
「あっ、チューしてる」
「ホントだぁ」
「…すげぇ」
「見つからないうちに、どっかいこうぜ」
「そだね。じゃ、こっそりね」
全然こっそりじゃない子供たちの声に、身を震わせながら、拓海は内部の涼介を甘く締め付ける。
そして催促するように、腰を揺らめかせた。
パタパタと、遠ざかる子供たちの足音。
それが聞こえなくなった途端、唇が離された。
「…やってくれたな、全く」
獰猛な獣になった彼が、拓海を睨む。
それにうっとりと微笑み、彼の膝の上で腰を揺らめかせる。
「ほら、立て」
乱暴に拓海を膝の上から下ろし、そしてその腕にブランコの鎖を絡ませた。
腕を拘束され、不自由な体を立ったまま四つん這いにさせ、スカートを捲り上げ尻をむき出しにさせる。
パァン、と真っ白な拓海の尻を涼介が平手で叩く。
「見られて…感じたのか?」
白かった尻に、平手の赤い跡が残る。
さっきまで欲望を飲み込んでいた窄まりに、乱暴に三本の指を突っ込む。
「痛いのが好きなんだろ?こんな風に」
「…ぅあん、…やぁ、涼介さん…!」
「涎垂らして美味そうにしやがって…クソッ!」
突き入れていた指が抜ける。
そして代わりに宛がわれたのは、拓海が何より望む彼の欲。
ズンと一気に奥まで突かれる。
尻と、彼の腰がぶつかる音が響く。
敏感な皮膚に、涼介の下部の固い毛が刺さる。けれどそれさえ快楽に繋がる。
「…ったく、溺れそうだ」
心底、参ったとばかりの彼の声に、拓海は嬉しくて微笑んだ。
「……一生飽きねぇよ」
拓海の首筋を噛みながら囁かれた言葉は、拓海にとっても同じものだった。
ドロドロになった制服のまま彼の車に乗り込む。
熱が冷め、我に返ってみると自分が大変なことをしでかしたのだと気がついた。
もう涼介の顔が見れず、シートの上で膝を抱えるように縮こまる。
首まで真っ赤に染め、顔を隠す拓海に、涼介が面白そうに笑う。
「おかしな奴だな。さっきはあんなに大胆だったのに」
大胆にしたから恥ずかしいのだ。
「………涼介さん…Sだ」
「ああ。だがお前はMだな」
…否定できない。
「…ったく、恥ずかしがり屋かと思ったら、こっちが驚くぐらいに大胆だし。本当に面白い奴だよ」
鼻歌さえ歌いそうなぐらいにご機嫌な涼介の様子をチラリと伺いながら、拓海はブツブツと不満を口にした。
「…俺、せいぜい『ちょっとした遊び』って…その…オモチャとか、使うぐらいだと思ってたのに…」
言った後で「しまった」と思った。
こんな事を言ってしまえば、涼介の事だ。
『じゃ、次回はそれにするか?』
なんて言いそうだ。
だが。
「…は?冗談だろ?」
さも不快だと言いたげな口ぶりに、拓海は逸らしていた顔を上げる。
「何で拓海に俺以外のモノ突っ込んでやらなきゃいけねぇんだよ。冗談じゃない。お前の中に入っていいのは俺だけだ」
心ごと、貫かれた気分だ。
感情のままに、拓海は身を乗り出し、運転席にいる涼介に覆いかぶさり、キスをした。
「……っ!…あぶねぇな」
運転中だった涼介は一瞬驚き、けれど楽しそうにニヤリと笑った。
「本当に、面白い奴だぜ」
拓海も、うっすら頬を染めながら幸せそうに微笑んだ。
「一生飽きないでしょ?」
そんな拓海に。涼介もまた微笑み返す。
「…今度はナース服だな」
確かに。
一生飽きそうにない。
ジワリと潤んできた腰を抱え、拓海はシートの上で身を捩った。