ぴよ様より裏話+管理人mix
自分の足元でイチャつく父親に、これまた父親譲りの頭脳と悪辣さで隆介は復讐を思い立った。
「お母さん、ぼく金魚掬いやりたいな〜」
「え、うん、いいよ。じゃ、はいお金」
「いらない。ぼくちゃんとお財布もってるもん」
「で、でもお小遣いってあげてないよ?」
「啓介おじさんとか、お父さんにもらってるんだ〜」
「え、そうなんですか、涼介さん?」
「――…ああ(この前ハチロクに隠しカメラ仕込んだのがバレて、脅され巻き上げられたやつだけどな)」
「じゃ、いってくるね、お母さん!」
「うん、いっといで」
「あ、隆ちゃん、僕も一緒に行くよ〜」カラコロカラコロ(下駄の音)
「ふふふ、かわいいですね、あの子たち」
「ああ(晴海はな!)」
そして………。
五分後。隆介の手には透明な袋に入った三匹の金魚が泳いでいた。
「これがお母さんで、こっちが晴海ちゃん…それで、これが僕!」
「隆介?お父さんは、居ないの?」
「そうだよ、お父さん仲間外れにしちゃったら、可哀想だよ?」
「ごめんね、そんな積もり無かったんだけど、僕三匹しか(確信犯)掬えなかったの…」(うるうる)
「そっか…、それなら仕方ないよね?お母さん」
「そうだね!隆介頑張ったんだもん…良いですよね?涼介さん。じゃあ、お父さんの金魚、今から掬いに行こうか」
「うん!(ニヤリ)」
「……(絶対何か企んでるな)」
そして………………………………。
「隆ちゃん、スゴイよ!こんなおっきいの、掬っちゃった」
「本当凄いね、隆介!こんな大きな…出目金…」
「僕、お父さんは絶対にこれだと思ったんだ。ホラ、(腹黒いトコとか)そっくりでしょ?」(にっこり)
「あ、ああ。すごいな、よくやった、隆介」(ちっ、この野郎…)
傍目には息子を褒め、頭を撫でる父親の図。
だがよく見れば、二人ともやけに力が入っているような…。
「隆介はすごいなぁ」グリグリ…。
「そんな、お父さんには適わないよ」ギリギリ…。(踏ん張る音)
そしてさらに隆介の復讐は続く。
(ビシャ!)
「あっ!お父さん、ごめん水零れちゃった」(確信犯)
「…フッ、仕方ないな。ちゃんとしっかり持ってろよ?」(…この野郎、絶対わざとだな)
(ビシャ!)
「こら、隆介!ちゃんと持ってなきゃダメじゃない!これはお母さんが持つからね。涼介さん、大丈夫ですか?」
「?!!」(ガーン!)
「ああ、大丈夫だ。あまり叱るなよ。子供のすることなんだから。仕方ないよ」(フフフフ…)
「ダメです。叱る時はちゃんと叱らないと。分かった、隆介?」
「………はい(ガーン…ガーン…)」
「それより拓海。濡れてしまったから家に帰ったらすぐに風呂に入りたいな」
「え、あ、はい。もう準備してありますから、すぐに入れますよ?」
「そうか。じゃ、一緒に入ろう」
「え?」
「浴衣、俺は脱ぎ方が分からないんだ。だから拓海が脱がせて」
「もう、涼介さん!何言ってるんですか!」
「ダメ?」
「…子供みたいですよ?隆介だって一人で脱げるのに」
「いいじゃないか。それとも俺はずっとこの濡れたままでいないとダメなのか?」
「…仕方ないですね、もう」(クスクス)
「父さんの粘り勝ちだね」
「ああ。今日は隆介に勝ったな」(フフン)
「………(ガーン…)」(まだショックが抜けない)
「フフフ…」(これが年季の差ってヤツだ。見たか小僧!!)
本気で子供相手に張り合う大人…。
今回の勝負は、双方の痛み分けに終わったようだ。
これからも二人の密かなバトルは続く……。