妄想SS ※ゲス注意報!!!
啓介は寝起きには牛乳を飲むことにしている。
それはもう小学校からの習慣で、二十歳を過ぎた現在でも何となく続けていた。今では起きてすぐにこれを飲まないと気分が落ち着かない。
朝方まで峠を攻め、昼過ぎに遅々と起きた啓介は、いつものようにキッチンに向かい、冷蔵庫の牛乳パックを取り出し、コップを使わずそのまま口に付ける。
そして最近の習慣になりつつある、拓海の叱責がそんな啓介の耳に響く。
「啓介さん、行儀悪いですよ!ちゃんと座って、コップで飲んで下さい!」
…またかよ、お前はお袋か?と思いつつも、啓介も懲りもせず言い返す。
「うっせぇなぁ。いいじゃねぇか。こうやって飲むほうが楽なんだ…から…って…ええっ?!」
ボタボタと唇の端から牛乳が零れ落ちる。そして啓介は、まだ自分が夢の中なのかと何度も強く手で目を擦った。
だがもちろん、今自分の目の前にある光景は、夢でも何でもなく現実だった。
「…啓介さん。本当に汚いですよ」
「けーすけ、大丈夫?はい、タオル」
ぴよが差し出すタオルを受け取ったのはいいが、まじまじとそれを差し出したぴよの姿を、そして拓海の姿を凝視する。
乱暴に口元をタオルで拭い、「…落ち着け、俺。今までこんな事、何回もあったじゃねぇか。きっとそれもその一つなんだ…」とブツブツと自分に言い聞かす。
そして深く深呼吸し、彼は目の前のぴよを見つめ、言った。
「…ぴよ」
「なぁに〜?」
「…その服…アニキか…?」
「うん!たくみとおそろい〜。でもたくみはアニキのだから白で、おれはけーすけのだから黄色なんだって」
…やっぱりか!
がっくりと膝を抱えて蹲った啓介に、ぴよは不安そうに顔を覗き込む。
「…けーすけ、どうしたの?これきらい?アニキが、きっとこういうのけーすけは好きだから喜ぶよって言ってたのに、ちがうの?」
泣きそうに顔を歪めるぴよに、顔を上げれないまま啓介は首を横に振る。
「・・・な、何で藤原まで……」
そして恨めしげに拓海を見る。いつもならこう言う企みを、拓海が止めるべき立場にある。それが今回は止めるどころか進んで参加しているように見えた。
「そ、それは……」
頬を染め、言い辛そうに俯く拓海に、啓介にイヤな予感が走る。
「それは、交換条件だからさ」
聞きなれた、それでいて最近は聞くたびにウンザリしてしまう声がする。啓介の実兄、涼介だ。
「アニキ……って、あんたもか!」
「フッ、これが拓海の交換条件だったのさ。ナース服を着る代わりに、俺の白衣姿を見せるとな」
そう。拓海とぴよはナース服のコスプレ。そして涼介は白衣に聴診器。これから彼がなるだろう職業の服装をしていた。
「…何でそんなモン…これからイヤってほど見れるじゃねぇか」
啓介がそう文句を言うと、以外や以外。拓海の思わぬ熱のこもった反論が返ってきた。
「違いますよ!!涼介さん、志望は外科だって言うんですよ?!聴診器に白衣の、内科のお医者さんにはなってくれないんですよ!」
「それに、拓海がナースと言う状況も今にしかありえない。…ああ、こんな看護師がいたら、きっと患者のみならず、病院職員全て虜になってしまうだろうな…」
…そりゃ、野郎が女装してる状況なんて今しか有り得ねぇだろうよ。
「…そんな…涼介さんこそ、こんな格好いいお医者さんがいたら、きっとみんな好きになっちゃいます」
…おい、お前、何か今日はヤケにピンク色のオーラ出してねぇか?
「…浮気、しないで下さいね?」
小首をかしげ、不安に潤んだ眼差しで涼介を見つめる。
…ナース服、おそるべし…。あの藤原が素直で愛らしい「白衣の天使」になっている…。
「馬鹿な、そんなことあるわけないだろう?!俺はこの、俺だけの可愛い看護師に夢中なんだ!」
「…涼介さん!」
「拓海!!」
ぎゅっと拓海の体を抱きしめて、二人、熱い抱擁を交わす。これはもう、見慣れたものだ。ただ今日の光景は、その服装からやけに背徳的に感じるだけで。
そんな二人を見つめていたぴよは、視線を移し、今度は啓介をじっと見つめる。
「ねぇ〜、けーすけぇ、おれもあれしたい〜」
啓介の視界に映るのは、ディープキスに移行した二人。そして兄の手が拓海のスカートの裾から忍び込もうとしている、何とも教育上宜しくない映像だった。
「こ、子供は見ちゃいけません!!」
バッ、と啓介はぴよの視界を塞いだ。
だがそれにも慣れたもので、ぴよはバリッと啓介の手を引き剥がし、逆に懐の中で哀願するように啓介を見上げる。
「…けーすけ、おれのこときらい?」
「き、嫌いなワケねぇだろ…」
「でも、さっきからけーすけ、おれのこと、ぎゅってしてくんないもん。けーすけ、この服、きらい?」
「…嫌いと言うか……」
言い淀む啓介の言葉を補足したのは首謀者である涼介だった。
「…それは違うぞ、ぴよ。逆に啓介はな、ナース服が大好きなんだ。
俺は知っている…お前の部屋の本棚の奥…隠された場所に、ナース物のAVがたくさん隠されていることを…」
「アニキ!!」
…い、イチャついてるんじゃなかったのかよ?!
「えっ?そうなんですか?」
「ああ。啓介のナース好きは筋金入りだよ。何しろ、小さい頃からうちのクリニックに入り浸って、看護師の女性たちのスカートを捲ったり、触ったりしてたからな。小さい頃はそれもカワイイと言う言葉で済まされていたが、大人になった現在はそれも叶わないだろう。だから、啓介。これはお兄ちゃんからの贈り物なんだよ?
さぁ、思う存分、触りなさい。そしてスカートもめくり放題だ。嬉しいだろう?」
「けーすけ?そうなの?じゃ、はやくさわって?これ、めくったほうがいい?」
…スカートをめくるんじゃねぇ!!あっ、しかもお前、それタイツじゃなく、ハイソックスじゃねぇか!!
涼介が、拓海の足を撫でながらうっとりと呟く。
「…いいだろう?これは俺の趣味だ」
…俺は今、初めてアニキの趣味を良いと思った!!!
ますます腹を押さえ、蹲る啓介。
「けーすけ?どうしたの?おなかイタイの??」
「ハッハッハッ。きっと啓介が痛いのはヘソの15センチから20センチ下のほうだろうな。ぴよ、そこを擦ってあげれば、すぐに啓介は元気になるよ?」
「えっ?そうなの?高橋さ〜ん、ここがイタイんですか〜」
…なぜ、ナースプレイをお前が知っている?!
「…涼介さん、ヘソの15センチから20センチ下って…もしかして…」
「…藤原君。私もそこらへんに痛みを感じるんだが、治療してもらえないかな?」
「えっ?…ええ、と…、は、はい、高橋先生…」
「おや?藤原君も顔が赤いようだね?どれ。後で注射を打ってあげよう」
「…ちゅ…!!………はい…」
「高橋さ〜ん、どんどんかたくなってますね?大丈夫ですか〜?」
ゴシゴシ…。
…俺も早く注射打ちてぇなぁ…。
そんな風にしみじみ思う、啓介ももはや立派な変態……。
2006.3.3
まずはぴよ様!せっかくの御礼がゲスくてすみません…。
やはり「ぴよぴよ」の彼らと言えば、ついゲスが出てくる模様です。
「ヘソの下15センチ〜20センチ」と言う表現は、ゲスエロ好きな友人の口癖からです。
「所詮男なんてどんな見栄を張ろうと、ヘソ下三寸で決まるのよ!」
…名言です。でも三寸だと分かりにくいかと、現代数字に直させて頂きました。
え?ヘソ下の意味が分からない?それはアナタ、とても幸せなことですよ。
ま、普通に測れば、お分かりの事と思いますが…。